今月の逸品
ただいま展示中の「今月の逸品」 2026年度企画展示「入門!多摩の遺跡たち」関連展示
口のない注口土器
意味のない言葉より沈黙のほうがよい ――ピタゴラス(伝)
注口土器
縄文時代後期(約4,000年前)
なすな原遺跡(町田市南成瀬)
現在、企画展示で縄文時代晩期(約2,900年前)の成果をご紹介している町田市なすな原遺跡。
実は、後期(約4,000年前)の成果も盛りだくさんだ。
この度、講演会に合わせて町田市に特別に出陳していただいたのも、後期の「注口土器」である。
酒などの特別な液体を入れた可能性も指摘されている謎多き土器なのだが、特に注目したいのはその出土状況だ。
展示した3つの土器は、なんと同じ住居跡の床面付近から並んで出土した。
さらに、大きく破損していないにも関わらず、いずれも注口部(注ぎ口)が失われていたのである※。
同じ遺跡からは、逆に注口部のみの破片もたくさん出土しているが、展示土器のものは見つからなかったそうだ。
一体、なにがあったのか。尋ねようにも土器は黙して語らない。「口」を失っているだけに......
※展示土器では注口が推定復元されている
展示の注口土器3点の出土状況(第102号住居址) なすな原遺跡調査団 1984 『なすな原遺跡―No.1地区調査』なすな原遺跡調査会より引用
過去に展示した「今月の逸品」はこちらからご覧いただけます。









