今月の逸品

ただいま展示中の「今月の逸品」

「養蚕火鉢」の謎

当たり前のことだったのに判らない

否、当たり前のことほど判らない

誰も気に留めなかったから...

養蚕火鉢

近代~現代初頭 (約100年前)

多摩ニュータウン№391遺跡(八王子市別所)

TN391養蚕火鉢内面解説入りre.jpg

養蚕が特に盛んだった近代期に現れ、戦後、瞬く間に消えていった道具がある。それが、この「養蚕火鉢」。ご覧の如く極めて大きいのが特徴で、これは低温の時期に蚕を飼育している広い空間を暖める必要があったためであろう。しかし、最大の特徴は底の真ん中に大きな円い穴が開いていること、さらに、その穴をわざわざ蓋で塞いでいることである。そして、この理解し難い設えは、養蚕火鉢最大の謎でもある。

ただ、生活の場から消えてまだ数十年。今なら、その答えをご存じの方も居られるやもしれぬ。是非、ご教示願いたい。

次回の更新予定
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