今月の逸品

過去に展示した今月の逸品

"鋤"こそ"謎"の上手なれ

「自分の内を見よ
自分の内を見よ内にこそ善の泉がある
君がたえず掘り下げさえすればたえず湧き出るであろう」
マルクス・アウレリウス・アントニヌス

多摩ニュータウンNo.325遺跡出土鉄製鋤先.jpg

鋤先
平安時代(約1,100年前)
多摩ニュータウンNo.325遺跡(八王子市鑓水)

その鋤先は谷戸奥の小さな集落の廃屋跡の中に残されていた。
現代で言えばシャベル、我々発掘屋の業界用語ではエンピ。

一本あれば、畑を耕し、住居の竪穴を掘ることもできる。
土器生産が盛んな地域故、粘土掘りに使われた可能性もあるのでは。
いずれにせよ、今以上に貴重であったことは間違いない道具が、まだ使える状態のまま不用意に置き去られることはなかろう。
とすれば、何らかの祭祀・儀礼の類か?然らば、その祭祀とは?

この謎を掘り下げられる智慧の鋤があれば良いのだが...。

次回の更新予定
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