今月の逸品

過去に展示した今月の逸品

飽くなき探求

陸、海、空。
そして宇宙へ。
人類の探求はどこまでも続いて行く。

石器各種（神津島産黒曜石; 原産地分析試料）
縄文時代中期（約5,000年前）
多摩ニュータウンNo.72遺跡（八王子市堀ノ内）

人類は生き抜くため様々な資源を獲得してきた。
その一つに黒曜石がある。

黒曜石とは限られた火山にのみ産出する天然のガラスで、加工し易く割れ口が鋭利であることから、石器の原材料として多く使われていた。
よく知られている産地には、箱根・熱海・中伊豆や長野県の諏訪湖周辺などあるが、その中でも特に入手難度の高い場所が神津島である。

神津島は、伊豆半島から最短でも約50㎞。
遠く海を隔てた島へ丸木舟を漕ぎ、黒潮に抗いながらの航海は、おそらく死と隣り合わせであったに違いない。
それにもかかわらず驚くべきことは、島で得られた黒曜石は本州へ運ばれ、遺跡で見つかっているという事実であろう。

人類の探求は留まることを知らない...

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